STRATEGIC TRAINING SYSTEM

| トレーニングのホームへ | YYOKOTA.NETのホームへ |

ウイルスに負けない体を作る!(免疫を高めるために行うべきことと、避けるべき9つのこと) 


1.過度なトレーニングは良くない。

適度な運動は免疫を高めるが、高強度すぎるトレーニングは、上気道感染率を高めるので、追い込みすぎには注意する。(高強度運動後に一時的に免疫が低下する「病原体に開放的な状態」は「オープンウィンドウ」と言われている。



2.過度な有酸素はやりすぎない。

運動時に呼吸回数が増えることや、頻回の深い呼吸になることからくる粘膜の冷却、乾燥および大気浮遊物との接触が多くなることなどから、持久系競技者のほうが上気道感染症への可能性が高まると考えられている。ただし、これもトレーニングが適度であれば、トレーニングをしていないものより感染確率は低くなるので、過度、高強度な場合に限り、ということである。



3.適度な運動は免疫を上げる。

1つは運動によって増加するホルモンや成長因子。骨格筋そのものが内分泌組織として働いており、代謝、内分泌制御および、免疫機能などの生理活性に関与している。

もう1つは、運動によるマクロファージのTLR(Toll-like receptor)発現抑制を介した免疫機能調節。運動によるTLRの発現低下は全身の炎症反応の軽減に関与している。



4.過度な減量をしない。

過度な減量とそれに伴う激しい運動は細菌感染に対する抵抗力までは低下させないまでも、ウイルス感染に対する抵抗力は低下する可能性がある。



5.できるだけストレスを溜めない。

一般的に過度なストレスの度合いが強くなればなるほど、免疫機能は抑制される。

運動のストレスは適度であれば、そのストレスに対抗する能力が身に付く。繰り返されるストレスに対して、体がセットポイントを変化させながら、体内環境を保とうとする能力をアロスタシスという。ストレスが強すぎる場合はアロスタティックロードといって、疾患などの不適応が起こるが、うまく適応できれば、体にとってプラスの効果が期待できる(免疫機能、抗酸化能力の向上など)。

アロスタシスとホメオスタシス



6.グルタミンの摂取。

運動は血中のグルタミン濃度を低下させる。グルタミンは免疫系を担う細胞のエネルギー源となっており、正常な免疫機能の働きに重要な役割を果たしている。

グルタミンは小腸の上皮細胞によってエネルギー源として多く消費されるので、なかなか血中に反映されにくい。BCAAを摂取することによって、血漿グルタミン濃度の低下抑制が確認されたという報告もあったので、グルタミンは多めに、そして合わせてBCAAも摂取しておくと良いだろう。



7.タバコを控える。

ニコチンは依存性に加えて血管収縮作用があるので、動脈硬化の原因となる。またその他の有害成分である一酸化炭素は酸素の運搬を妨害するし、タールは種々の発がん物質を含む。



8.アルコールの摂取を控える。

アルコールを摂取すると免疫機能も低下する。アルコール依存症患者では、感染症、特に肺炎の罹患率がほとんど摂取しない人に比べて二倍と有意に高く、危篤症状を呈しやすい。



9.しっかり睡眠を取る。

睡眠はTreg機能(調節性T細胞(レギュレトリーT細胞)=免疫寛容の誘導に関与する細胞)やその日内変動に大きく影響している可能性がある。適切な睡眠は免疫機能の維持や、免疫寛容を含めた調節に重要な働きを果たしている可能性があると考えられている。



・参考『運動と免疫』

適度な運動をして、お酒、タバコは控え、クリーンなものを食べて、しっかり寝る、当たり前なことばかりですが、このような基本的なことをやり続けることこそ、免疫を高く保つため最善の方法かと思います。
 
 
 
Copyright : YUKI YOKOTA