●アロスタシスとホメオスタシス
・アロスタシス(allostasis、動的適応能)とは、変化することで体内環境の安定性(ホメオスタシス)を維持することを意味し、急性のストレスに対し適応していくプロセスを説明する概念として用いられる。
・アロスタティックロード(allostatic load)とは、その急性ストレスに機能するアロスタシスを制限する因子であり、この負荷が過剰な場合に病気などの不適応がおこると考えられる。
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正の面(運動適応)は運動ストレスに対してアロスタシス機構が働いた結果もたらされるものであり、負の面(不適応)はアロスタシス機構を妨害するアロスタティックロードが増大し、身体諸機能が破綻した結果もたらされる。
●ストレス反応とアロスタティックロードの進行
ストレスの受容は個人の経験、遺伝、そして行動によって影響を受ける。脳がある体験をストレスとして受容したとき、生体反応と対処行動が引き起こされ、アロスタシスを誘発し、適応にいたる。
これらの機能の許容能を超過した場合、アロスタティックロードは蓄積し、神経、内分泌、免疫性ストレスの過剰曝露は、様々な組織に対して逆の作用をもたらし、病気に至る。
●これと似たようなもので、暑熱や寒冷環境(暑さや寒さ)、他の環境因子に対して恒常性機能(ホメオスタシス)が促進するのを正の交叉適応(positive
cross adaptation)、減弱する場合は負の交叉適応(negative cross adaptation)と言う。