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破壊力学から考えるトレーニング


■WLT(Weakest Link Theory)

機械工学において、材料強度を上げるにはどのようにすればいいのかという研究が行われている。

材料(物質)はどのようにして壊れるのか?

材料が壊れるには様々な要因があるが、共通して

「物質が壊れる時は、その一番弱い部分から壊れる」

ということが言える。

即ち、『破壊とは材料の中の一番弱い部分から全体に波及する現象である』ということである。専門用語では破壊の最弱リンク説という。

鎖でも直線状にして左右から引っ張り合ったときに、それぞれの輪が同じ強度を持っているのであれば、鎖が切れるときにはすべての輪が一斉に切れるはずである。しかし、実際はどこか一番弱いところ一箇所がちぎれる。



■トレーニングに置き換えて考えてみよう。

体を一つの鎖と考えた時、強い負荷をかけながら特定の動作を行った場合に一番最初に壊れるの一番弱い輪(部位、箇所)である。

それらを改善する方法としては

@強化したい種目の中で可動域を限定して強化(トップ、ボトムの強化など)すること。

A最弱部位のPOF(ストレッチ、ミッドレンジ、コントラクト種目)を強化する。

B最弱部位に対して、補助種目によって対象筋(アイソレーション系)、拮抗筋、共同筋(コンパウンド系)を強化すること。

C最弱部位周辺の運動機能性が低いことによって、筋肉や神経の動きに制限がかかり、その結果弱点になっている場合が多い。この場合は、大きな負荷を与える前に、対象部位周辺の筋バランスや関節の動きを先に戻す必要がある。

Dオーバーユースによって一時的に対象部位の機能が低下している場合はその部位を休めて、二番目、三番目に弱い部位を強化すること。

などが挙げられる。



今回はトレーニングについて述べているが基本原理はスポーツでも同様だろう。

どこが最弱リンクか判断し、それを強化するためにはどの方法がもっとも合理的か見極める。それらが出来ればきっと更なる成長に繋がるはずである。



 
 
 
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