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スポーツにおいては一瞬の動作のうちに目から得た情報を脳で解読し、その信号が腕や手、脚、足先、そして体のバランスなどに送られます。サッカーや野球などすばやい判断を必要とする競技においてはこの動作を幾度となく繰り返すことが必要になってきます。もしこのプロセスが不正確に、不完全に、または時宜を失った場合は、パフォーマンスにおいて不利を被ることになります。

アメリカ眼科協会のよると、アメリカのオリンピック選手のうち60%がこのビジョンスキルを向上させることによってパフォーマンスがさらに機敏になり競技能力が向上したといわれています。
ビジョンスキルの能力を磨くことでパフォーマンスを向上させ、試合をより楽しむことができるでしょう

■ビジョンスキルを構成する要素

●20/20 視力:対象物をはっきりくっきりと見るための能力です。動作中は頭や体ではなく眼だけが動きます。この能力はスポーツを実施している際、または自宅にて専門家から規定されたトレーニングを行うことによって養うことができます。

●末梢視力(周辺視力):視野の端にある対象物を見るための能力です。この能力を向上させることにより動作中に対象物を視野の中心に置いたまま認識し続けることを可能にします。球技であればボールを視野の中心に置いたまま動作を行うことが可能になります。この能力を向上させることでパフォーマンスをさらに改善させることが期待されます。

●奥行知覚:自身から対象物(ボールや対戦相手、仲間、ラインなど)までの距離をどれだけ早く、そして正確に判断できるかの能力です。
対象物のスピード、高さ、角度などを即座に判断することは非常に重要です。

●追跡性視力:対象物を正確にそしてスムーズに追うための能力で、二つの眼の協調性、眼とその周りの筋の協調性が重要になってきます。また連続して対象物をすばやく変え、正確に把握するなどの複合的な動作もこの能力に含まれます。

目-手-足-体のコーディネーション:目からの情報を神経や筋が受け取るまでの統合的な動作のことをさします。適切なタイミングで適切なポジションに体またはそのボディパートをポジショニングしておく事が必要となります

●ビジュアライゼーション:心の眼とでも言いましょうか、動作中対象物を眼で確認することだできない際に対象物がどのような軌道で動いているかイメージする能力。

ビジュアルコンセントレーション:メインとなるひとつの対象物に目を向けながら、もうひとつの対象物について注意を払う能力。バスケットボールであればパスを出す際に相手の守備の位置を見ながら仲間の動きを把握するなど。




自分の視覚に何か問題があると感じる場合は検眼医、検眼士もしくは眼科医を訪ねると良いでしょう。何か問題がある場合はこれらの専門家が適切なメガネやコンタクトレンズを処方してくれたり、治療エクササイズ等を指導してくれるでしょう。

●メガネ:

スポーツにおいては様々なタイプのメガネを使用することが必要とされます。大抵のメガネコンタクト時などの強い衝撃などに耐えるためにきわめて強力な耐衝撃性が備わっており、米食品医薬品局が推奨する通常のメガネと比較して頑丈な作りになっています。

プラスチックレンズはガラスよりも軽量なのですが引っかき傷ができてしまいます。そのための対策として抗擦過傷のためにコーティングしてもらうことが可能です。多くのアスリートは大きなレンズにナイロン、金属、またはプラスチックの細いリム(ふち)、細いこめかみ部分など顔の形に沿ったフレームのメガネを使用するのが好まれているようです。

コンタクトレンズ:

メガネの代替として利用できるのがこのコンタクトレンズでしょう。コンタクトレンズの場合メガネよりもさらに自然に、そして目と一緒に動くので二つの目で対象物をしっかり見ることができ、奥行知覚に関してはさらに注意深く見ることができるでしょう。またメガネのレンズのように曇ったり、ぬれて汚れたりすることがありません。さらに防具や武具による制限を受けることがなくリムなどがない分周辺視覚に影響を与える心配もしなくて良いでしょう。

デメリットとしては試合や練習中などに紛失、また取り外すのに手間がかかるなどが挙げられます。(ソフトレンズの場合は凸凹の曲線が目とマッチしておりこれらの問題は気にしなくても良いかもしれません。)


コンタクトレンズを運動中に使用する人は常に清潔にしておくことと、試合中に手入れしなければいけない必要性が出てくる可能性があるので小さな鏡を用意しておきましょう。

サングラス:

ぎらぎらと照りつける眩しい太陽、曇りの日の拡散された眩しい光などは競技パフォーマンスを妨げる可能性があります。これらの刺激は過剰なストレスとして試合中のパフォーマンスの低下を引き起こす原因となると考えられます。水上や雪上など水に反射して対象物がまともに見れず眼を細めて何度も見ようとするなどは・・・夜間視力、暗視視力をを低下させる恐れがありますので眼にあまりストレスをかけないことが大切になります。

サングラスは紫外線から眼を保護するため、それを必要とする特定の競技選手、白内障の手術を受けた人、水上や雪上さ、砂上など外で働く人、高地に住んでいる人でにとっては必要なアイテムとなるでしょう。また紫外線に対しての感受性が高い人、経口避妊薬を使用している人、テトラサイクリンなどにきび薬を使用している人なども紫外線に対して注意が必要です。

サングラスを選ぶ際には紫外線の75〜90%をシャットアウトしてくれるもの、傷、歪みのないものを選びましょう。

色合いは中程度のグレーもしくはダークグレーは色知覚を妨げないためベターです。また変光角(さまざまな角度から光の反射を受ける)による水上や雪上、舗装道路などでサングラスを使用する場合は偏光レンズのものを選ぶと良いでしょう。その他にフレーム、レンズの耐衝撃性、品質などを見て選ぶと良いでしょう。

 
 
 
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