ジムに行けば、フリーウエイト以外にもハンマーストレングス、ケーブル、可変抵抗式のマシンなどフリーウエイト以外にも沢山のマシンがあります。体作りにおいて沢山マシンがあるということは、それだけバリエーションが増えるということなので、ないよりはある方がベターということになるでしょう。
しかしながらそれぞれのマシンにはメリット、デメリットがあり、たとえば、ケーブルでは直線の動きしか出来ないため弧を描くようなエクササイズでは最後収縮させる際に体、肘の角度を動かさないと完全収縮を行うことが出来ません。その逆、伸展もまた然りです。それらを考慮して肩や肘などを動かしながらうまく効かせる事も出来るのですが、種目、筋の付着部によっては往々にして刺激し切れない場合があります。
またハンマーストレングスはケーブルとは異なり、マシンの軌道が弧を描くようになっているのですが、肘の位置などを変え多角的に筋肉を刺激しようとしたときに、100%刺激できる軌道というのが数箇所しかないため、バリエーションとしては乏しいものになってしまいます。シートの位置を変えるなどして、いくつかの軌道を使い分けて引くことでバリエーションを加えることは可能なのですが、それを含めても100%対象部位を刺激する軌道というのはそれほど多いものではありません。
可変抵抗式のマシンも使いようによっては弱点レンジ(可動域)の克服に優れていますが、ただでさえPOF、ワイドグリップかナローグリップか、肘や膝を開くか開かないかなど、それより優先させるべきバリエーションは沢山あり、どのレンジで最大負荷をかけるかということまでいじりはじめるとやる事が多くなりすぎ、本末転倒になりがちです。(うまく活かすことが出来るのであればぜんぜんOKですが)。
ではフリーウエイトはどうでしょうか。
フリーウエイトは自分で軌道を作れる分、あらゆるバリエーションを加えることが可能になるのですが、トップポジション(収縮ポジション)で負荷が消えてしまうので、マシンに比べて全可動域においてテンションを保つことができません。ベンチプレスで言えば、差し上げではテンションがかかっておらず、胸に近づくにつれてしんどくなってきますよね。かと言って、トップポジションでロックせずにテンションを保つように行うとトップポジション付近で負荷がかかるポイントを逃がしてしまうことになります。
まあ満遍なくやれよ、ということに尽きるのですが(笑)、今日はマシンをしようせずにフリーウエイトでケーブルやハンマーのように筋肉を刺激する方法を紹介しましょう。
このトレーニングを行うのに必要なのはトレーニングパートナーです。たとえば、シーテッドダンベルショルダープレスを行うのであれば、中程度の重量を用いて、あとはパートナーにずっとテンションがかかるように手で負荷をかけ続けてもらいます。このようにして行えば、多角的な角度でテンションのかかり続けるワークアウトを行うことが出来ます。特に肩、胸のプレス系、肩のレイズ系種目において効果的です。パートナーのトレーニングになるほど沢山に負荷をかけなければいけないのも大変なので中程度の重量をつけた上で行うといいでしょう。
デメリットとしては、背中の種目。下から引くロウイング系種目では負荷をかけるのが困難となりますし、プル系の種目ではパートナーが大変かもしれません。あともうひとつのデメリットとしてはパートナーが厳密に何キロの負荷をかけているのか計測することが出来ないので、オーバーロードの原則に従って使用重量が伸びているのかを把握しにくいという点があります。
パートナーがいないと場合はチューブを用いて行うと似たような効果が得られます。これを利用して多くのクライアントのスクワット、ベンチプレスの記録を伸ばしたのがパワーリフティングの雄ルイシモンズのです。ルイシモンズのジムにはこれを効果的に行うために特大のチューブや超ヘビーなチェーン(トップポジションに近づくにつれ、チェーンが地面から浮き上がりそれがすべて余分に負荷となる)を用いて行っています。
チェーントレーニングの例
チューブではパートナーが行うように弧を描く起動では行えませんし、特大のチューブやチェーンなどはなかなか用意しにくいでしょう。しかしながら肩などのエクササイズであれば市販で売っているインナーマッスル用のチューブで代用することが可能です。
まあ他の物事と同様、完璧なものではなくデメリットもあるのですが、トレーニングにマンネリしているというのであれば、ショックワークアウトとして試してみるのもひとつの手であるといえるでしょう。
とりあえず終了。また補足、修正などがあれば行います。
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