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TENS(経皮電気的神経刺激)

アスリートにとって怪我や炎症、筋肉痛などの痛みを軽減させるのには鍼灸、指圧、マッサージ、カイロプラクティック、鎮痛剤、DLPA(dl−フェニルアラニン)、DMSO(ジメチル・スルフォキシド)、そしてTENS(経皮電気的神経刺激)など数多くの方法があります。このセクションではTENSと鎮痛剤の効能について見ていきましょう。

TENS(経皮電気的神経刺激)は人々の痛みの軽減に最も効果的、且つハイテクな治療の方法として知られています。
TENSとは経皮から神経に低周波の電気を流し、その刺激によって痛みを和らげるというものです。TENSは病院などにおいて手術後のリハビリに使用されるほかスポーツ専門家などにおいても幅広く採用されています。

通常治療のために用いられるTENSは数多くの種類の複数の機器を用いて医療従事者によって管理されています。しかし実際多くは患者自身によって簡略化された、そして自宅で使用できるような単一種類のポータブル式TENS装置が用いられています。

痛みの軽減、神経刺激とアスリートの障害との関連性については、現在までに何千もの公的な研究がなされてきました。その中でもっとも研究者たちの賛同を得たのが「痛みのある部位に対して低周波の電流を用いて脳へ送られる痛みの刺激をブロックする」ということでした。

TENSの効能を説明するセオリーは上記にも述べた
脳へ伝達される痛みの原因となる刺激をブロックすると言うものです。

具体的にはTENSの刺激が神経経路に沿って経路を閉じ、その結果、脳に送られるはずの痛みの刺激の伝達率が低くくなり、痛みの刺激を防ぐことができる、という仕組みです。

もうひとつTENSの効能を説明するセオリーにTENSの低頻度、電気的神経刺激がエンドルフィンやエンケファリンなどの痛みを抑えるホルモンを刺激することがあげられます。

TENSは痛みを抑制する効果だけではなく、脳から電気刺激を誘発することにより体の治癒能力をさらにスピードアップさせるようです。またこの電流は腫脹や炎症を軽減させると言われています。これらは怪我をしているアスリートがより早く復帰できると言うことを意味します。

従来ではTENSの電流の単位は医療用、家庭用のもの共にミリアンペアの電流か1000/1アンペアの電流で、怪我や痛みのある部分に直接、もしくは対象部位に隣接したところに電極パッドや電極プローブをあてて行われていました。

しかし最も新しい技術では早く痛みを抑え、治癒させるためにさらに細かいミクロアンペアの端数の電流を利用して処方することができるようになっています。


アスレティックトレーナーやリハビリ関係の専門家に臨床でもっとも使用されるTENSシステムにアルファ−スティム2000とエレクトロ−アクスコープの二種類の機材が挙げられます。このアルファ−スティム2000とエレクトロ−アクスコープはコンピューターによって体内の伝導性を計測し、どの部分に電気刺激をすればよいか教えてくれます。これらによって計測されたポイントは経穴(鍼治療のつぼ)、トリガーポイント、筋の網目部分、炎症部位と一致します。

通常怪我や病気のある部位は他の部位と比較して低い伝導率で示されます。ただし炎症の場合だけは血管の中を流れている血漿成分が、血管の外へ漏れ出して、組織がそれらの水分によって腫れます(水腫)。

これにより水分が静電気を伝導するためその部位の伝導率が高く示される場合があります。したがってこの場合だけは例外であると言えます。

どちらのTENSシステムにもエレクトロ・スコープ(電気睡眠)という機能がついています。エレクトロ・スコープとは脳に微少な電流を送り続けることにより全身をリラックスした状態にするというものです。具体的には耳につけたクリップから微少で低頻度なマイクロアンペア電流を脳全体に送ります。

この電流は脳がリラックス時、沈静時(睡眠時ではない)に出される電流の波形と似ており、この覚醒したままリラックスしている状態のことをアルファ状態(アルファ−デルタ波長)と言います。この状態にあることで瞑想、白日夢(白昼夢)、催眠状態となることができます。

いくつかの大学のコーチはトレーニング後の選手に10分間のエレクトロ・スコープ(電気睡眠)を行っています。これにより選手たちはトレーニング中の興奮から解放され落ち着くことができ、その後勉強に集中することができると言っています。

TENSの注意点としては、TENSによって痛みの抑制、怪我からの回復、トレーニングからの回復を促すことができる反面、薬などを使用している人にとってはその副作用、手術を行った人などはその外傷が完全に回復していないということを忘れがちになってしまいます。TENS治療によってすべての体の機能が回復するわけではないのでのその点は考慮しなくてはなりません。

 
 
 
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