筋の超回復理論については、その理論の正確性や有用性は疑問視されてきている。
実際に、ウエイトリフターなどは、前回のトレーニングによる疲労が残っている状態でも、ほぼ毎日のように全身をトレーニングして発揮可能な体力レベル(preparedness)を向上させている。
超回復を待たずにトレーニングを実施しているにも関わらず、長期的にはpreparednessを向上させることに成功していることを考えると、超回復理論の有用性には疑問が残る。
■疲労と適応モデル(二元論)
トレーニングをするとフィットネスは向上する(適応)が、疲労は蓄積する。
フィットネスをプラス、疲労をマイナスと考え、プラスマイナスの合計をpreparednessとする。
・一回のトレーニングへの反応の中で、フィットネスよりも疲労が増加する。
・トレーニング負荷が減少した時に、疲労は適応より速やかに消失する。
・パフォーマンスのピークは、主に疲労の消失によるものであり、フィットネスもまた増加し、パフォーマンス向上に寄与している。
■改訂版疲労と適応モデル
複数のフィットネスと複数の疲労の種類が存在すると考える。
それぞれの運動能力は独立しており、互いに影響を与えることなく、別々に変化すると考えられている。
別々に変動する要素のフィットネスと疲労が積み重なったものが、メインのフィットネス、メインの疲労という形にまとめられて、プラスマイナスの合計が、最終的なpreparednessとなる。
『テーパリング&ピーキング』Inigo Mujika
『テーパリングとピーキング』河森直紀
●身体の歪みが整い、正しい身体の使い方、正しいフォームで動作ができた上で、トレーニングプログラムの内容が噛み合えば、成長スピードは爆発的に加速する。
注意点は
・あまり直線的なプログラムを長期間継続しないこと。
→まずは複雑なものではなくても良いので、定期的に変化、見直しを加えるようにする。
・必ず自分自身に合ったものを作ること。
→遺伝的に異常に回復能力が高い人や頑丈過ぎる人、禁止薬物を使っている人、自分と異なる骨格の人と同じプログラムは行わない。まず合わない。
などである。