喫煙者は禁煙者と同じようにアミノ酸を吸収するが、筋タンパクの合成速度(FSR, Fractional Synthesis Rate)は禁煙者より低く、ミオスタチン(筋発達を抑制する)の発現も優位に増加した(写真1,2参照)。
喫煙は炎症反応を引き起こす。が、喫煙者の血中の炎症性因子TNF-α、CRPおよびインターロイキン-6の濃度は増加せず、また、喫煙は筋肉細胞のTNF-α遺伝子の活性を増加させなかった。したがって、炎症プロセスは喫煙の異化作用とは関係ない可能性がある。
Smoking impairs muscle protein synthesis and increases the expression of myostatin and MAFbx in muscle
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17609255/
■ウエイトトレーニングは他の種類の身体活動との比較(有酸素運動など)や費用対効果分析(cost-effectiveness analyses)を含めて、禁煙の成功率をあげる確率が高い。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21504883/
■運動が肺がんのリスクに与える影響
super-fit non-smoking men (めちゃめちゃ健康で非喫煙者)が肺がんにかかるリスクは1、喫煙者で全然運動していない人の肺がんリスクは12(倍)になる。
だが、同じ喫煙者でもある程度健康的な生活を送ることで6に減らすことが出来るし、更に生活を徹底する(めちゃめちゃ健康だけど喫煙者)ことで、肺がんのリスクは4まで下げることができる(写真3,4枚目参照)。
super-fit non-smoking men (めちゃめちゃ健康で非喫煙者)が健康的な生活を送り続けることで、1から更に肺がんリスクを下げていくことができるかにおいては、有意な減少を見つけることはできなかった。
非喫煙者が肺がんを発症する可能性はわずかで、その確率は非常に低いので、健康的な非喫煙者をプロテクトできるかは不明。より多くの人を対象にするとこのあたりの詳細も出せるかもしれない。
Influence of fitness on lung cancer mortality
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19996990/
●結論
喫煙していても良い体の人はいるし、トレーニングは出来るし、トレーニングの恩恵を得ること(身体を鍛えることによって病気のリスクを下げる)は出来るけど、
【禁煙してトレーニングを行うと、それ以上に筋発達しやすくなり、トレーニング中のパフォーマンスも向上し、トレーニングの恩恵をより沢山得ることができる。】