身体を回復させるために睡眠は最も重要なもののひとつです。
睡眠を促すもの、妨げるものをいくつかピックアップしてみましたので、チェックしてみてください。
■睡眠を妨げるもの
1.就寝の4−6時間前のカフェイン、アルコール、ニコチンの摂取。
少量の摂取は入眠を促すが、必ず後で深い睡眠のサイクルが乱される。ニコチンは沈静効果があると思われがちだが、神経刺激物質であるため、睡眠障害の原因となる。
2.チラミンの摂取。
ベーコン、チーズ、チョコレート、ナスビ、ハム、ポテト、ザウアークラウト、ビール、コーヒー、ソーセージ、ほうれん草、トマト、ワイン、タラコ、スジコに含まれるチラミンは、ノルアドレナリンの放出を促進し、脳を刺激してしまうため、夜の摂取は控える。(ノルアドレナリンの放出を促進→血圧や心拍数の上昇などの作用を引き起こす)
3.遅い時間の鼻詰まりの薬、鼻充血除去薬や風邪薬。
抗ヒスタミンなど眠気を誘う成分が含まれるものもあるが、刺激物質(カフェインやエフェドリンなど)が入っているものもあるので、過敏な人は遅い時間の摂取に注意する。
4.午後3時以降に、昼寝をしないようにする。
5.就寝の二時間前までには、大きな食事は済ませておく。
■睡眠を促すもの
6.朝食にトリプロファンを取っておく
トリプトファンは肉、魚、バナナ、ナッツ、ツナ、ヨーグルト、米などの穀類に含まれる。
朝食は体内時計をリセットするだけでなく、朝に摂取したトリプロファンが、日中にセロトニンとなり、夜に光を落とすとメラトニンとして合成され、沈静化し、睡眠を促す。
7.運動
就寝二時間前までの運動は睡眠を促す。寝る5−6時間前に行うのがベスト。
8.シャワーじゃなくてお風呂
寝る1−2時間前に入るお風呂は入眠を促す。ブタクサにアレルギーがなければ、カモミールのエッセンシャルオイルを入れると、尚良い。
9.夜の照度を落とす。
以前は2500ルクス以上の高照度がメラトニンの分泌を抑制すると言われていたが、今は300ルクス(普通の部屋の明るさで大体約75〜1,000ルクス)でも長時間にわたると抑制される。
蛍光灯やLEDに多く含まれる青い光の波長はメラトニン分泌抑制作用が強いため、夜間は電球色の赤い光が好ましい。
10.睡眠前のメディア制限
寝る前のテレビ、パソコン、携帯電話の操作は大脳を活性化して、入眠障害、中途覚醒の原因となる。逆に、朝はこれらは脳を覚醒させるには有効。
11.サプリメントの摂取。
・カルシウム 1500−2000mg/日を夕食後か就寝前に (鎮静効果)
・マグネシウム 1000mg/日 (カルシウムとバランスを保つ必要があり、筋肉を緩める)
・メラトニン 1.5mgから/日 (熟睡を促す天然のホルモン)
・ビタミンB群 ラベルに記載されている規定量 (身体のリラックスを促す)
・イノシトール 100mg/日 (レム睡眠のサイクルを安定させる。レシチンはイノシトールを含むのでレシチンを摂取しても良い)
・ナイアシンアミド 100mg/日 (セロトニンの生成を促す)
・ビタミンC、バイオフラボノイド 500mg/日 (ストレスに対抗するため)
・亜鉛 15mg/日 (睡眠中の細胞の回復を促す)
*単体で取ると、結構な量になるので、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB6が含まれるZMA、カルシウムとマグネシウムが含まれるカルマグなどを摂取すると手っ取り早いかもしれない。
そのほかで睡眠を促すサプリメントとしては
・GABA ラベルに記載されている規定量 (沈静の神経伝達物質。神経回路におけるブレーキ)
ちなみにGABAの摂取はカフェインによる興奮を相殺してくれる可能性がある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4428720/
・グリシン 3g/日 (脳内で神経伝達を落ち着かせる。健康的な睡眠パターンの維持に重要)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1479-8425.2006.00193.x
などがある。
参考
『睡眠学T』
『Prescription for NUTRITIONAL HEALING 5th edition』
『時間栄養学―時計遺伝子と食事のリズム』