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●頭部前方と胸椎後弯のアラインメント、症状、原因について(注意: 猫背の悪影響を甘くみてはいけない。歯まで悪くなるよ。)

■頭部前方位と胸椎後弯があると身体の様々なところに障害が波及する可能性があるので注意が必要である。

特に環椎後頭関節の後屈(伸展)は開口と下顎の後方変位を引き起こす。環椎後頭関節後屈位で閉口しようとすると、舌骨上筋群・舌骨下筋群が過度に緊張することになる。

【肩甲舌骨筋が付着する肩甲骨の位置も、舌骨筋群の筋長と緊張に影響を与える。
(※同じように、胸骨舌骨筋は胸骨の位置に影響を与えるし、胸骨の位置も胸骨舌骨筋に影響を与える)】

■外側翼突筋は、本来は下顎頭を前方に引き出して開口に作用する筋だが、下顎頭が後方変位すると、外側翼突筋上頭が、閉口筋である側頭筋や咬筋の収縮によって伸張され、関節円板に付着する外側翼突筋上頭に伸張反射が生じて早期の収縮を誘発し、関節円板が前方変位することになる。

下顎の位置や、舌骨筋群の筋長や緊張が変化すると、咬合パターンが変化し、顎関節の動きや舌骨の位置に変化を与えることになる。

もし舌骨が挙上し、口呼吸が組み合わさると、舌は下方変位し、食べ物を飲み込む際に顎舌骨筋が舌を十分に挙上できなくなり、水や食べ物が口からこぼれたりする異常な嚥下パターンも生じることになる。

『姿勢の教科書』竹井均

●図2参照ですが、いわゆる猫背姿勢は、周辺部位のみならず、

・頸椎の変性→顔面痛、頭痛、三叉神経痛。
・頸椎→胸椎→腰椎→下半身にも影響を与える。

・第1肋骨&鎖骨の挙上、胸筋の硬さ→腕のしびれ(胸郭出口症候群)

・斜角筋のつまりから→肩甲上腕、肩鎖関節の機能異常

・顎関節症、噛み合わせの変化、嚥下障害

など、非常に大きな影響を与えます。

●この状態でトレーニングするとなると、かなり効率悪いですよね。まず姿勢を戻さない限り、対象部位にあんまり効かないと思います。

胸が締まっていて、呼吸も浅いので、胸のストレッチ種目も、背中の収縮種目も効きにくいし、肩側部も僧帽筋上部に入りやすいし、三頭長頭も入りにくいでしょう。

勿論、トレーニング前にストレッチや調整することも可能ですし、必要ですし、これも大切なのですが、この場合は、【トレーニングする以外の時間、どれだけ姿勢に気をつけておくかのほうが重要】であるように思います。

前回の話ではないですが、いきなり完璧な姿勢は作れませんので、コツコツ日常の姿勢や体勢を気にすることは凄く重要になってきます。

携帯やパソコンが普及してきてから、頭部前方、胸椎後弯の人の数は明らかに増えています。本当にひどくなると日常生活に支障をきたす障害に発展していく可能性もあります。

●結論: 一見、そこまで猫背じゃなくても予備軍な人(頭部やや前方やちょっと猫背)は沢山います。

日常の姿勢や体勢に気をつけましょう。