STRATEGIC TRAINING SYSTEM

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●ピリオダイゼーション(サイクルトレーニング)について、その1

■通常のトレーニング、線形ピリオダイゼーション、非線形ピリオダイゼーションの中でどれが最も筋力が伸びたか?

30歳以下のストレングスアスリートを対象とした研究で、

スプリットルーティンで12週間のウエイトトレーニングを行う際、

・通常のトレーニングnonperiodized (NP)
・線形ピリオダイゼーションlinear periodized (LP)
・非線形ピリオダイゼーションnonlinear periodized (NLP)

の中でどれが最も筋力が伸びたか。

行う種目はベンチとレッグプレス。レップ数の設定はこのような感じで。

結果は 非線形ピリオ(NLP)>線形ピリオ(LP)>通常のトレーニング(NP)となった。体組成の変化についてはそこまで優位な差はなかった。

Nonlinear periodization maximizes strength gains in split resistance training routines.
Monteiro AG, Aoki MS, Evangelista AL, Alveno DA, Monteiro GA, Picarro Ida C, Ugrinowitsch C.

 

●ピリオダイゼーション(サイクルトレーニング)について、その2

■13の線形、非線形ピリオダイジーションについて公開された論文を再分析し、まとめた。

その結果、線形ピリオダイゼーション[LP]は、非線形トレーニングプログラム[DUP]と同レベルの筋肉量の増加をもたらした。

これは、筋力、筋肥大の測定に対する2つのピリオダイゼーションモデルの効果が類似している可能性が高いことが示されている。

一方で、日頃からトレーニングしている鍛錬者や、特定の集団(年齢や性別でグループ分けした場合など)においてはさらなる研究が必要であるとされている。

最大限に筋肥大をさせたい場合、トレーニング量のコントロールとオーバーロードをかけることは非常に重要なポイントとなるが、どのようなピリオダイゼーションモデルを採用するかは個人の好みの問題かもしれない。

↑要は自分に合ったものである必要がある。

Effects of linear and daily undulating periodized resistance training programs on measures of muscle hypertrophy: a systematic review and meta-analysis



●ピリオダイゼーション(サイクルトレーニング)について、その3

■個人的には、トレーニング歴が長く(ありとあらるトレーニング方法を行った経験があり)、ある程度の筋力を有している、またサイクル途中で体調を崩してしまわない安定した環境を作れる人(時間的にも体調的にも)であれば、ピリオダイゼーションはかなり効果があるように思います(特に非線形ピリオダイゼーション)。

■逆に、トレーニング歴があまり長くなく、まだまだ伸びる余地がある人は、そこまで複雑なピリオダイゼーションを作る必要はなく、毎回記録更新を狙って、頭打ちになったら種目やメニューを変更する(例.一ヶ月毎にプログラムを見直すとか)という感じで良いと思います。

トレーニング歴があまり長くないのに、使用重量が全然伸びてこない場合は、

・トレーニングフォーム
・身体の使い方
・柔軟性
・身体の歪み
・筋肉のバランス
・トレーニング頻度や量
・食事や睡眠

に問題があることが多いので、これらの要素を見直す必要があります。

■↑の要素、すべて重要ですが、トレーニング強度に問題が出てくる場合、身体の使い方、柔軟性、身体の歪み、筋肉のバランスの崩れから来ている事が非常に多いです。

このあたりの要素にメスを入れず、素質の無さや回復能力の低さ(筋肉が固い→毛細血管数低下→筋繊維内の酸素不足→回復スピードの低下)だと勘違いしないようには注意したいですし、それによってむやみにトレーニング量を減らしたくないです。

トレーニングは狙い撃ちで効かせることも重要ですが、その精度を保つためにはある程度の練習量が必要だからです。

■トレーニングで必要とされるスキル

A.ポジショニング能力=必要な筋肉だけ動かす能力

B.グレーディング能力=必要な筋肉をどれぐらいの力で動かしたら良いか調節する能力。

C.タイミング能力=必要な筋肉を必要な力、「必要なタイミング」で動かせるように調節する能力。

D.リプロダクション(再現)能力=それらの能力を常に同じ状況で再現する能力。

これらの能力を保持しておくためには、質の良い練習をある程度の量こなす必要があります。

『身体の発見シリーズ 複雑性としての身体 ~脳、快楽、五感~』大築立志氏の「脳とスキル」

■年齢や性別に関係なく、身体が成長し続けている人は、↑このあたりの変数を調節する能力が非常に長けていて、強度を上げ下げするタイミングも絶妙です。

身体づくりはプログラムの組み方と、中身のコンテンツの配分の仕方、それら1つ1つの質の高さによって発達スピードが大幅に変わってくるので、詳しいトレーナーに教わることをオススメします。