その他のトレーニング原則
- POF:
- ポジション・オブ・フレクション(Position Of Flextion)の略称でIronMan Magazineの編集長であるスティーブ・ホルマンによって考案されたトレーニング方法である。
- このトレーニング法は各部位のトレーニングをストレッチを得ることができるストレッチ種目、収縮を得ることが出来るコントラクト種目、そしてベンチプレスなど高重量が扱えコントラクトとストレッチ種目の中間に位置するミッドレンジ種目の三つの種目にわけ筋肉の可動域すべてをカバーできるように構成されている。
- 上腕二頭筋のトレーニングに例えてみると
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- コントラクト種目:コンセントレーションカール といった具合になります。
- 一度のトレーニングで一つの筋肉のすべての可動域を刺激するので、使用・未使用の原則、超回復、過負荷の原則はクリアしている。しかし個別性の原則、SAIDの原則、特異性の原則という観点から見ていくと考慮すべき点がありそうである。つまり、筋を刺激するという目的以前に競技などを行う場合は、それに重点を置いたトレーニングメニューの作成が必要であるということである。
- HIT:
- High Intensity Training(高強度トレーニング)の略称で故アーサージョーンズ博士によって考案されたトレーニング理論である。高強度トレーニングはその名前どおり”高強度”でトレーニングを行うことが基本として、低頻度、短時間のトレーニング、テンションを継続しつつネガティブ動作に重点を置くということ、過負荷の原則に基づいて行うことなどの因子から成り立っている。
- 高強度トレーニングを行いて筋力、筋量アップする人がいることも事実だが、いくつか考慮するべき点がある。 まず基本原則である個別性の原則、SAIDの原則、GASの原則、そして使用、未使用の原則をおざなりにしてしまう傾向があり、高強度、低頻度だけでは刺激できない成長因子、繊維も出てくる。他のトレーニング原則同様これひとつで全てをカバーすることは不可能であるので、ピリオダイゼーションの中〜後半のフェーズで使用したり、他の原則と組み合わせて使用したい。
- HD:
- ヘビー・デゥーティー(Heavy Duty)の略称でアーサージョーンズ博士の理論をマイクメンツァー氏が改良したものです。これもHITと同じく使用時期と期間を考えれば効率の良いトレーニング法となるだろう。
- 低頻度、ネガティブ動作重視のトレーニングとしてスーパースロートレーニングというトレーニング方法もあるが、これもHITやHDと同様の点を考慮する必要がある。
- BC:
- ボディ・コントラスト(BC)トレーニングは故ダン・ドゥシェインによって考案されたトレーニング法である。まず70%/RMの負荷でコンセントリック動作だけに重点を置いて12レップス行い、そのあとパートナーに直接負荷をかけてもらうか、ウエイトを付け加えてもらい85%/RMの負荷でパートナーの助けを借りて3ネガティブレップスを行う。
- コンセントリックな運動をこれ以上続けられないというところまで行った際に筋肉はIschemic
rigor (イスケミックリガー、虚血性硬直(筋疲労によって動作が続けられなくなってしまう))という状態になる。ドゥシェイン曰く、虚血性硬直状態で3レップス程度のネガティブレップスを行うことでカタボリックな作用を軽減させるといっている。
- カタボリック作用を軽減させるという根拠が何に基づいているのかは分かりかねるが、ネガティブの動作がポジティブ動作より力を発揮できる点を考慮して、ポジティブ→ネガティブの順で筋肉を追い込む方法は有効であろう。最初にネガティブを持ってくるほうが絶対重量は扱えるが、ポジティブ→ネガティブの順で行うことによってより多くの筋繊維を動員させることが出来るからである。
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- BFS:
- Bigger(より大きく),Faster(より早く),Stronger(より強く)の三つの頭文字をとったトレーニングの方法である。このトレーニングプログラムはスポーツ選手を主に対象としており、敏捷性、柔軟性、それぞれのスポーツに必要な特異的トレーニングを週5回、ウエイトトレーニングを週3回(シーズン中は週二回)行うプログラムで構成されている。
- ではBFSの基本的な例があるので見てみよう。
- 月曜:ボックススクワット、ベンチプレス、補助的リフト、柔軟性、敏捷性のトレーニング
- 火曜日&木曜日:スプリントトレーニング、プライオメトリクス、柔軟性、敏捷性、スポーツの特異的トレーニング
- 水曜日:パワークリーン、デッドリフト、補助的リフト、柔軟性、敏捷性のトレーニング
- 金曜日:パラレルスクワット、ベンチプレス、補助的リフト、柔軟性、敏捷性のトレーニング
- 一週目:3セット3レップス
- 二週目:5セット5レップス
- 三週目:5レップス1セット、4レップス1セット、3レップス1セット、2レップス1セット、1レップス1セット
- 四週目:10レップス1セット、8レップス1セット、6レップス1セット もしくは 4レップス2セット、2レップス1セット
- このメニューでガチガチに固めて行こうとすると個別性の原則、おざなりにしている部分があるので試合までの期間や選手の体調などによってアレンジする必要があるだろう。
- ブルガリアン・パワー・バーストトレーニング:
- レオ・コスタとロッセル・ホリンによって開発されたトレーニングシステムでブルガリアや旧ソビエト連邦、東ドイツなどのウエイトリフターなどのあいだで良く行われているトレーニング方法である。
- 具体的なトレーニングの方法としては30〜45分のトレーニングセッションを一日三回、一週間あたり各部位を三度刺激する、一週間を通してミクロサイクルを作成しその中で強度やトレーニング量、トレーニング方法を変えていくというものである。正しくサイクルさせることが出来れば基本となる6つのすべての原則をおざなりにすることなくトレーニングを進めていくことが可能であると言われている。欠点としてはこのようなトレーニング、競技練習を行える環境を作れる人は、プロ選手でもないかぎり難しいという事である。
- ハードゲイナーズシステム:
- ”BRAWN”(1991)の著者であるスチュワート・マクロバートによって定義されたトレーニングの方法である。ハードゲイナーシステムの特徴としては毎回のトレーニングにおいて一キロ、0,5キロでもいいので前回より思い重量を扱うようにすること、もしくは同重量において前回より1レップでも多く回数を行うこと、上半身に対して1〜3セット、6〜9レップス、下半身に対しては1〜3セット、10〜20レップス行うことがベースとなっている。
- ハードゲイナー(筋量や筋力がつきにくい人)という言葉自体の定義が適切かどうか、またその逆についても研究は進められてはいるものの絶対的な生物学的根拠があるわけではない。ただトップアスリートの競技選手において筋力やパワーに男女差があること、筋細胞由来成長因子、ホルモン量の差などから筋発達に多少の個人差があるのは否めない。
- しかしながらそれらはあくまで発達のための因子のいくつかであって全てではないし、正しいトレーニングが行える環境、状態にあれば筋は成長する。逆に素質があってもトレーニング自体を行わなかったり、正しい食事を行わなければ体は最大限に成長しないものである。
- トレーニング自体によって筋、ホルモン系、成長因子の働きを活性化することが出来るといわれているので成長したいならまず自分の生活様式に適した合理的なトレーニング、食事、サプリメンテーションを行うことが必要となるだろう。
- スーパースクワットトレーニング:
- ランダル・J・ストロッセン博士がその著書スーパースクワット(1989)において考案したトレーニングプログラム。その名の通りスクワットをメインにしたトレーニングルーティンでトレーニングの始めにスクワットを1セット20レップス行い(毎回のワークアウトで2.5kgずつ増量していく)、その後軽重量で胸郭を広げるためのプルオーバーを行うというものである。このトレーニングシステムを行い際はスクワットにフォーカスし、その後に他の部位のエクササイズも行います。例としてはスクワット&プルオーバーを行いその後に
- シーテッドビハインドネックプレス
- ベンチプレス
- ベントオーバーロウ
- スタンディングカール
- パラレルスクワット
- レイダーチェストプル
- スティフレッグドデッドリフト
- トゥーレイズ
- クランチ
- などのエクササイズを行う。ただしこのトレーニングシステムは個別性の原則、GASの法則、SAIDの原則、特異性の原則(筋力を向上させたい、スクワットは低レップで数セット行うほうが効果が出るなど、競技のおいて瞬発的な動作を必要とする))など考慮されていない。また20レップススクワットのあとにプルオーバーを行うことで胸郭を広げるという科学的根拠もない。
ピリオダイゼーション:
文字通りトレーニングをピリオダイズ(期分け)しておこなうトレーニング方法である。
- HST:
- HST(hypertrophy specific training 筋肥大のため特異的トレーニング)はHSN(hypertrophy specific nutrition)の創設者であるブライアンヘイコックによって考案されたトレーニング方法である。HSTのベーシックなモデルとしては三週間のピリオダイゼーションで最初の二週間は各部位を二日に一度刺激し、その後一週間のディトレーニング(トレーニングをしない)を設ける。
- HSTは4つの構成要素から成り立っている。
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- トレーニング(機械的ストレス):
- 筋細胞内に肥大を誘発するような変化を引き起こす刺激(ウエイトトレーニング)のことである。機械的ストレスは筋細胞内にさまざまな化学的変化をもたらすことで、筋細胞の肥大を引き起こす。
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- 頻度:
- トレーニング後のタンパク合成、プロスタグランジン、IGF-1、mRNAの増加は約36時間で正常に戻る。従って週一度しかトレーニングしない場合は二日間同化が続きその後4日間は半アンチカタボリックから正常の状態に戻る。また48時間に一度の頻度で刺激を与えることに対して筋肉は回復しうるということが研究によって示されている。
- 細胞は機械的ストレスよって与えられた刺激に対して48時間で適応し(rapid training
effect)、これが終了すると筋のタンパク合成はストップしそのあと神経適応、代謝適応が続きます。筋のタンパク合成(筋肥大)に対して神経適応、代謝適応ではモーターユニット活性の増加、反射の相乗作用、拮抗筋の活性、主動筋の活性、収縮フィラメントの増加などの神経筋の発達(神経適応)などが起こる。
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- オーバーロードの原則:
- 身体に発達のシグナルとなるストレスを与えるためには既に適応している刺激を与え続けていてもそれは発達を与えるためのシグナルとならない。基本は前回のトレーニングより一回でも多く、もしくは一キロでも重いものを同一フォームの上であげる。
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- 計画的ディトレーニング(Strategic Deconditioning):
- 筋肉は感受性が豊かであるため絶対的に負荷を増加していく(オーバーロードの原則)のに適応するだけではなく、使用重量の変化による適応をも起こす。通常は毎回最大の負荷を与えてトレーニングを行わなくても前回の負荷よりもう一段階上の刺激を与えれば筋肥大は生じると考えられているが、負荷を上げ続けていくにつれ適応が起こり筋力の増加がそれまでのように得られなくなる。
- 計画的ディトレーニングは筋の適応を一度リセットしてやるために行う。仕事などでトレーニングが行えなくてそれが丁度良いレイオフとなりその後調子が逆によくなるというのはしばしば聞く話だが、これは偶発的ディトレーニングの効果と言えるだろう。
トレーニングサイクルにおけるウイダーの法則
- サイクルトレーニング:
トレーニング内容を準備期、筋力期、筋量期、試合期など期分けしてトレーニングを行う方法。これにより怪我やオーバートレーニングを防ぎ、試合などに向けてパフォーマンスをピークに持っていくことが可能である。またトレーニング内容が期毎に変化していくためマンネリになることなく新鮮な刺激を与え続けることが出来る。
- スプリットトレーニング:
十分な強度で一度に全ての部位をトレーニングすることは困難であるため全身をいくつかにわけトレーニングしていく方法。例としては上半身と下半身、プッシュ&プル、拮抗筋の組み合わせなどがあります。分割を細かくすることでそれぞれの部位で強度の高いトレーニングを行うこと、さまざまな角度から刺激するが可能になる。
- ダブルスプリットトレーニング:
スプリットトレーニングをさらに細分化させたトレーニング方法。例えば、一日で行うトレーニングを午前と午後にわけ行うことなどがあげられます。これにより、スプリットトレーニングで得られるメリットがさらに増すと考えられています。ただし仕事などで時間的に制約のある人がこのトレーニング法を行うことは困難であろう。
- 筋幻惑法:
毎回同じトレーニングを続けていると筋肉は適応してしまい、そのトレーニングでは筋肉に十分なストレスを与えることが出来なくなる。そのようなマンネリ状態を打破すべくトレーニング種目、セット、レップ数、重量、テンポ、フォームなどに変化をもたせ筋肉にあたらな刺激を与えるのが筋幻惑法である。以下の項にあげているようなウイダーのトレーニング法則、ワークアウトにおける法則を利用するのも効果的だ。
- 斬増性負荷の法則:
基本原則の項で述べた過負荷の原則と同意義。
- ホリスティックトレーニングシステム:
細胞小器官は異なった刺激に対し異なった適応を示します。従ってトレーニングでは強度や頻度、レップ数やセット数に変化をもたせることが必要である。筋幻惑法と同意義。
- エクレクティックトレーニングシステム:
筋肉の成長を促すためにコンパウンド種目とアイソレーション種目を組み合わせるトレーニングの方法。
- インスティンクティブトレーニングシステム(直感法):
これはトレーニングメニューを直感で決めていく方法。この方法を用いることによって臨機応変にトレーニングの強度、スピード、テンポ、トレーニングフォーム、レップ数、セット数などに変化をもたせてトレーニングを行うことが出来る。トレーニング暦が長く、自分の体の特徴を把握している人にはこの方法は効果的だが、初心者の人などは様々なトレーニング法を行いどれが自分に合うかまず知ることが必要である。
トレーニングにおけるウイダーの法則
- セットシステム:
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- エクササイズ一種目につき数セット行う方法。
- スーパーセット:
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- 異なる二つの部位のエクササイズを短い休憩を入れて連続して行う方法。例えば、上腕二頭筋を刺激するバーベルカールと上腕三頭筋を刺激するバーベルトライセップスエクステンションを一組み合わせとして行うなど。
- コンパウンドセット:
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- スーパーセットとは少し異なり、コンパウンドセットでは一つの部位に対し二つのエクササイズを短い休憩を入れて連続して行う。例えば上腕三頭筋を刺激するのにディップスとトライセップスプレスを連続して行うなど。
- トライセット:
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- 一つの部位に対して、少ない休息を入れて一度に三つのエクササイズを行う方法。例えば、スクワット、レッグプレス、レッグエクステンションの三つのエクササイズを行うなど。
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- ジャイアントセット:
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- 一つの部位に対して、少ない休息を入れて一度に4〜6つのエクササイズを行う方法。例えば、方のトレーニングを行う場合フロントプレス、アップライトロウイング、ダンベルプレス、サイドレイズなど。
- スタッガーセットシステム:
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- 胸や脚など大きな部位のトレーニングのセット間にカーフや腹筋、前腕のエクササイズを行うこと。
- レストポーズセットシステム:
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- まず85〜90RMの強度でエクササイズを行い、限界に達したらウエイトを戻し少しインターバルをとる。10〜15秒ほど休んだらまた2〜3レップス繰り返す。これを3〜4度繰り返す。
- 筋優先法:
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- 弱点部位から先にエクササイズしたり、たくさんのエネルギーが必要な大きな部位の筋肉から順番にトレーニングを進めていく方法。
- 予備疲労法:
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- 例えば、胸のトレーニングを行う場合ベンチプレスではどうも先に三頭筋が疲れてしまう、このような場合は先にダンベルフライなど胸のアイソレート種目を行っておくとベンチプレスなどコンパウンド種目を行う際に三頭筋より先に胸に十分な刺激が出来る。プレ・イグゾーストともいう。
- ピラミッドトレーニングシステム:
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- 高回数、低重量からウォームアップしていきメインで行う高重量・低回数セットまでピラミッド式に重量を上げていく方法。
- ディセンディングセットシステム:
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- まず85〜90RMの強度でエクササイズを行い、限界に達したら少しウエイトを落とし数レップ繰り返す、これを3〜4度繰り返し筋肉を追い込む方法。
ワークアウトにおけるウイダーの原則
- アイソレーションの原則:
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- 刺激したい部位を集中的に鍛えるためにトレーニングを行う方法。
- クオリティトレーニングの原則:
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- 使用重量は落ちてもレップ数は保てるように、そして徐々にセット間のインターバルを短くしながら行うトレーニング方法。
- チィーティングの原則:
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- エクササイズ中最も動作を行うのが困難なポイント(=スティッキングポイント*パーシャルレップの原則参照)を通過させるために反動を使ってトレーニングを行う方法。効果的に使えば素晴らしいトレーニング法だがチーティングの仕方が悪かったり、反動の使い方を誤ると怪我の原因や筋肉への刺激を逃がすことになるので注意が必要である。
- テンション継続法:
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- 筋肉へのテンションを維持しながらトレーニングを行う方法。文字通りテンションを継続し筋肉に負荷をかけ続けるため動作中ストンっと力が抜けるところを作らないようにしたい。
- フォースドレップストレーニングの原則:
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- エクササイズの最後限界に達したらパートナーに補助についてもらい数レップ行う方法。パートナーにさらにネガティブ部分を押してもらい負荷をかけるフォーストネガティブ、ネガティブ動作だけ自分で行いポジティブは極力補助してもらう方法、ポジティブをメインにして補助してもらう方法などパートナーのさじ加減でさまざまな追い込み方が可能になる。補助してもらう前にしっかり話し合っておくといいだろう。
- フラッシング法:
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- 一つの部位について3〜4つのエクササイズを行う方法。トライセット、ジャイアントセットと同意義。
- バーントレーニングシステム:
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- 通常のエクササイズを限界まで行い、その後可能なかぎりの可動域(パーシャルレンジ)で動作を繰り返す方法。
- パーシャルトレーニングの原則:
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- 一つのエクササイズをとってもその動作の中できつい部分とそうではない部分がある。バーベルカールであれば肘の角度が90度、床と平行になるポジション、ベンチプレスであればバーベルを下ろして肘の角度が90度になったあたりでもっとも負荷がかかる。この一番きつい部分をスティッキングポイントという。
- これを応用させると、スティッキングポイントを中心にノンロックで効かせる、通常のエクササイズでスティッキングポイント越えることができなくなった時点でスティッキングポイントに到達するまでの可動域で動作を繰り返す(バーントレーニングシステム)、スティッキングポイント以外で可動域を限定してさらに負荷をかける、など様々なバリエーションを作ることが出来ることができる。スティッキングポイントを超えるために反動を使って動作を繰り返すチーティングもバーントレーニングシステムの応用といえよう。
- レトローグラビティの原則:
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- 動作中のエキセントリック部分に重点を置いたトレーニング方法でネガティブ法やエキセントリック法というも同様の意味である。ネガティブ動作では軽い重量でも速筋繊維から優先的に使用されること、ポジティブ動作よりも高い強度でトレーニングを行えることなどの特徴からネガティブ動作に重点を置いたスロートレーニング、120〜120%RMの重量を用いてネガティブ動作だけを行うネガティブ法、自分で限界まで追い込みそこからパートナーに補助してもらいネガティブ動作で可能なかぎり動作を続けるBC(Body
Contrast)のようなトレーニングを行うことが出来る。
- ただネガティブ動作に重点を置いたエクササイズでは使用重量が重かったり、限界+αで追い込むためトレーニング強度が高くなりやすく筋繊維に与えるダメージが大きくなってしまう傾向があること、トレーニング後のグリコーゲンの生成を悪くしてしまうことなどが挙げられる。
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- (ネガティブトレーニングがグリコーゲンの生成を悪くする?)
- 通常のトレーニングではグルコースを細胞内に取り入れる筋細胞中のGLUT4(Glucose
Transporter の略で糖の輸送担体、もしくはグルコースの運び屋)が増加しインスリンの感受性がよくなる、インスリンの感受性が良くなるということはつまり同じインスリンの量でもその中での糖の処理能力が高くなるということである。しかしネガティブの刺激が強すぎた場合にはGLUT4が破壊されてしまい筋細胞へのグルコースの取り込みが悪くなってしまう。
- ピークコントラクション法:
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- 動作の終了時(トップポジション)に筋を収縮させたポジションで2〜3秒保持し、テンションを保つ方法。
- スーパースピードの原則:
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- 50%RM程度の重量を用いてすばやいスピードでトレーニングを行う方法。スティッキングポイントを超えるために有効とされている。
- アイソテンション法:
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- ボディビルで行うポージング練習の一種。筋肉を収縮させたポジションで6〜10秒保持することを繰り返す。これによりマッスルコントロールが向上するといわれている。
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