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マッスルインバランスの改善:強みの強化、弱点部位の改善、姿勢の調節、左右差改善、怪我の予防、すべてのトレーニングプログラムをはじめる前にやっておくこと

マッスルインバランスとは、

『姿勢や生活習慣、仕事やトレーニングなどで毎日繰り返される物理的ストレスによって、特定の筋、関節などの組織が炎症を起こすことが原因となる「筋の不均衡」』

のことを言います。

 

日常での小さなズレというのは、最初は気にならないほどの問題かもしれませんが、身体は全体でひとつの単位(ユニット)として動いていますので、積み重なってくると、

筋の不均衡によるストレス

それに関連する筋肉の調和が乱れる

骨の配列、軟組織の内圧が変化

神経やリンパ、血管循環などに悪影響を与える

内臓や中枢神経に様々な障害を引き起こす

ところまで影響を与えてしまいます。

 

ここまで身体がバランスを崩すと、強みの強化、弱点部位の改善、姿勢の調節、左右差改善、怪我の予防、すべてにおいて悪影響を与えてしまいますので、新しいトレーニングプログラム、食事プログラム、何を始める場合も一旦身体を出来るだけリセットしておきたいものです。

マイクメンツァーがヘビーデゥーティーを始める前に1週間休めと言っていたのも、一旦、負担のかかっている箇所や中枢神経を回復させたいというのがあったと思います。

ただ、休養を取るだけでは、それまでのトレーニングによって蓄積した筋疲労や中枢神経は回復しても、インバランスは戻りきらないことが多いので、特にトレーニングプログラムスタート前か、まだそこまで強度の高くない序盤に修正作業を行っておくと尚良いです。

 

 

■インバランスの種類:
(細かくて読むのがめんどくさい場合は改善方法と下のイラストだけ見てね)

@主動筋−拮抗筋のインバランス

(優位、短縮しやすい筋 ⇔ 延長、弱化しやすい部位の組み合わせ例)

・僧帽筋上部・肩甲挙筋 ⇔ 広背筋
・脊柱起立筋・梨状筋 ⇔ 腹筋群
・股関節内転筋群 ⇔ 中臀筋
・ハム ⇔ 四頭
・腸腰筋・大腿筋膜張筋 ⇔ 大殿筋
など。

例:ハムがあまりにも固いと四頭の動きに制限が出たり効きが悪くなる。

*縮みやすい部位の流れ:筋の持続的な収縮→アクチンとミオシンの結合を解除できなくなる→筋内部の血管を圧迫→酸欠→ATP欠乏→過敏性物質が痛みを誘発。交感神経の反射活動を高める→虚血→筋硬結(きんこうけつ)(筋肉の硬いコリ)が出来る
→この状態で無理やりトレーニングすると断裂などを起こしやすい。

*伸びやすい部位の流れ:筋が持続的に引き伸ばされる→アクチンに接するミオシン頭部の数が少なくなる→収縮能力が落ちる→筋力低下
→意識できない、効かない、挙がらない。

 

A短縮、硬化した筋の関連筋のインバランス

例:@の続きでいうと、ハムが固いと、骨盤が後傾(プリケツの逆で臀部が下がった状態)となり、腰腸肋筋や多裂筋など脊柱を安定化させる筋が伸びて、筋力が低下してしまう。

 

B共同筋間における筋の長さのインバランス:

・内側ハムは短縮しやすく、外側ハムは延長、弱化しやすい
・腹直筋は短縮しやすく、腹斜筋は延長、弱化しやすい。
・大胸筋は短縮しやすく、肩甲下筋は延長、弱化しやすい。
など。

例:内側ハム(半腱様筋、半膜様筋)は縮みやすく、外側ハム(大腿二頭筋)は伸びて、筋力低下しやすい。

 

C関節制御のインバランス

通常は大臀筋が股関節を伸ばし、四頭筋が膝を伸ばす役割を果たすのが、ハムがその役割を補ってしまっている状態。これによって関節のコントロールがより不安定になってしまう。

 

 

■それぞれの改善方法

@について:

●優位、短縮しやすい部位は、運動に制限がかかっているので、温める、マッサージ、ストレッチ。

●延長、弱化しやすい部位は伸びて弱っているので、収縮させる、負荷をかけて強化する。

*逆をしないようにだけ注意。

ABCについて:

自分の身体がどのような状態かを正しく評価し、そこから修正をかけていく。

トレーニングの動きの中で戻していく場合は、必ずコントロールできるところまで重量を落として動作を行うこと(出来れば自体重やバーだけから始めるのがベスト)。

*ここから戻していかない限り、絶対にインバランスは戻りません。

 

●基本的に、身体を整えていく順番としては、

@縮んだ部位を緩める
A伸びた部位を締める
B関連筋や共同筋間の動きを正常に戻す
C全体の動きを作っていく

となります。

*縮んだ部位を戻さないまま、収縮をかけるというのは、ブレーキをかけたまま、アクセルを踏んでいるのと同じです。

インバランスには色々なパターンがありますが、一般的に短縮して詰まってしまいやすい部位を赤、伸びて弱りやすい部位を青でチェックしてみたので参考にしてくださいね。


 
 
 
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