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●姿勢と体型と骨格から考えるトレーニング3

パート1,パート2からトレーニングを考えると、BIG3然り、すべての人にとって等しく噛み合う奇跡の種目はないということが分かります。

全種目は書いていけませんので、代表的な種目の傾向と対策だけ述べていきますね。


・胸の種目: ベンチプレスを行う場合、前腕が長い、もしくは胸郭が小さい場合はバーを胸まで下ろすと、そうでない人に比べて怪我のリスクが高まる。

→改善方法
@バーを胸に付くまで下ろさない
Aナローベンチの要領で、グリップ幅を狭くして、脇を締めるような方向で行う(三頭や、前腕、手首への負担は↑)。
Bダンベルプレスやダンベルフライに代替する。
Cケーブルやペックデッキなどのマシンで代替する。


・背中の種目: チンニングを行う場合、腕が長い、前腕が長い場合、バーより高い位置まで上げることは困難である。(↑このような骨格の人はデッドリフトで優位であることが多い)

→改善方法
@バーを超えるところまで顎を上げる必要はない。
Aフロントプルダウンやハンマープルダウンで代替する。


・肩の種目: 腕が長い、前腕が長いと、すべての動作(レイズ、ロウ、プル、プレス系動作)において、高重量を扱いにくいし、痛めやすい。レイズ系においてはてこが長い分、重量が上がりにくく、プレス系においてはバーを深く下ろすと痛めやすい。

→改善方法
@レイズで無理に高重量を扱わない。テコが長い分、軽い重量で効く。
Aプレス系は深く降ろさないように注意する。
Bマシンサイドレイズのような肘を支点にして負荷をかけられる種目に代替する。


・脚の種目:

スクワットの動作において、大腿骨が短いと身体の前傾が少なくなり、膝関節主体の運動となる。
大腿骨が長いと身体の前傾が大きくなり、股関節主体の運動となる。

骨盤が狭い、小さい→高重量で行った場合腰椎を痛めやすい。
骨盤が広く、大きい→高重量を扱いやすい。

大腿骨頭が水平→骨盤が安定しやすい。
大腿骨頭が垂直に近い→深く下ろした場合骨盤が不安定になりやすい。

O脚→スクワットを行いやすい
X脚→スプリット(ランジ)などのほうが安定し、行いやすい。

寛骨臼が横に向いている場合→大腿を開きやすいため高重量で力を発揮しやすい。
寛骨臼が前方に向いている場合→大腿が開きにくいため、高重量で力を発揮しにくい。


→改善方法
@スクワットが合わない場合は、ランジやレッグプレス、マシンのスクワットに代替する。
Aどうしてもスクワットを行いたい場合は、踵の高さ、スタンス、重心、担ぐ位置、下ろす深さを調節する。


今はジムも開いていないですし、この機会に、己を知る、基本を作り直すという意味でも、姿勢のパターン、身体の長さ、幅、奥行きなどを調べてみてはいかがでしょうか?

足が長い人は手も長いなど傾向はあるものの、例外な人も沢山いますし、最終的には人種差なども関係なく個体差レベルで異なります。

先天的な部分(体型のパターン)と、後天的な部分(環境から来る不良姿勢)を見定めた上で、できる事と出来ないこと、改善方法などを考えていけば、必ず成長に繋がると思います。

追伸、今回力を発揮する他の因子(骨格筋量、腱の付着位置、速筋繊維と遅筋繊維の割合、瘢痕組織の有無、細胞の弾力性、モーターユニットの動因率、覚醒レベル、痛みへの耐性、集中力など)は考慮しておりません。

参考
The Strength Training Anatomy Workout lll

 
 
 
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