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●クロム

クロムの必須性は、ラットへクロム欠乏食を与えた場合、インスリン濃度は高いにもかかわらず、ラットの耐糖能が傷害されるが、クロムを投与するとその障害が改善されることから明らかになった。

またクロムが添加されていないかあるいは低濃度のTPN(完全非経口栄養法、完全静脈栄養)を受けた患者で耐糖能異常や高血糖が生じるが、輸液に三価クロムを添加することでこれらの異常が改善されたことから、正常な糖代謝にクロムが必須であることがヒトでも確かめられた。その機構は明確になっていない。

醸造酵母にはクロムが多く含まれている。

高糖分食、激しい運動、外傷、授乳はクロム排出促進により、クロム欠乏をもたらす要因となる。

成人の所要量は一日25〜35μg、許容上限摂取量は250μgとされている。

 
●ヨウ素

生体内でのヨウ素の意義は、甲状腺ホルモンの構成分になっていることである。

過塩素酸やチオシアン酸は濾胞細胞によるI-の能動輸送を拮抗的に阻害し、チアウレアやゴイトリンはMIT(3-モノヨードチロシン)とDIT(3,5-ジヨードチロシン)の合成を阻害するので、ヨウ素の必要量を増加させることが考えられる。チオシアン酸やゴイトリンはキャベツなどの野菜に含まれている。

ヨウ素欠乏症は海から離れた、土壌中のヨウ素含量の低い地域で認められたことが多く、甲状腺が肥大した甲状線腫がみられる。なお、甲状腺腫はヨウ素の過剰摂取によってもおこる。

妊婦がヨウ素欠乏の場合、新生児はクレチン病(発育、成長障害、知能発達障害)になるおそれがある。成人の所要量は一日150μg、許容上限摂取量は3mgとされている。

 
●セレン

セレンはグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)、リン脂質ヒドロペルオキシド、血漿セレノプロテイン-P、ヨードチロニン脱ヨウ素化酵素(TDI)、精子中のセレノタンパク質などに、セレノシステン(Se-Cys)の形で存在している。

GSH-PxやTDIではセレノシステイン、はその活性中心を構成し、前者は細胞内の過酸化水素や過酸化物を還元し、抗酸化的に作用し、後者は甲状腺ホルモンであるT4のT3への変換を行っている。

セレン欠乏が主原因と考えられている病気に、心筋壊死性病変を伴う克山病がある。またセレン摂取不足は虚血性心疾患やがん発症誘発の1つであることが示唆されている。一方、セレンには過剰摂取による中毒症状も起こる。

成人の所要量は一日45〜60μg、許容上限摂取量は250μgとされている。

 

●マンガン

タンパク質、糖質、脂質の代謝反応における補助因子として酵素(デカルボキシラーゼ、ヒドラーゼ、キナーゼ、トランスフェラーゼ等)の活性化に関与する。またマンガン含有酵素として、ピルビン酸カルボキシラーゼとスーパーオキシドジスムターゼがある。

成人の所要量は一日3〜4mg、許容上限摂取量は10mgとされている。

マンガンを大量に摂取すると鉄の吸収を阻害する。

マンガンを豊富に含む食品としては緑の野菜、全粒粉などがあげられる。


●モリブデン

モリブデンはキサンチンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼなどに含まれている。欠乏症状として、動物では食欲減退、成長抑制、生殖作用障害などが認められ、ヒトでは長期のTPN時に高メチオニン血症、低尿酸血症、昏睡性精神障害などが認められた。

成人の所要量は一日25〜30μg、許容上限摂取量は250μgとされている。

 
 
 
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