■筋肥大
・IGF-1(インスリン様成長因子-1)の発現: 主に肝臓で産生され、血中ではIGF-1結合たんぱく質に結合している。血中のIGF-1レベルは成長ホルモンによる調節を受け、骨格筋でも発現している。IGF-1遺伝子を組み込んだ「組み換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)」をマウスの前頸骨筋に感染させた4ヶ月間の実験では、一度の注射で約15%の筋横断面積を増加させた。
・GDF-8(ミオスタチン)の活性低下: ミオスタチンをコードする遺伝子をノックアウトしたマウスは骨格筋量が通常の2〜3倍に増加した。この筋肥大はここの筋繊維の肥大だけではなく、筋繊維の本数が2倍近くまで増加している。ミオスタチンは発生の段階で筋芽細胞の増殖と筋管細胞への分化を制御すると考えられている。また筋に負荷を与え、萎縮から肥大へのリローディング(回復期)にその発現が減少することも見出されている。
・FGF(繊維芽細胞成長因子): 15種の分子種が知られている。その中でもFGF-6はおもに筋細胞で発現しており、骨格筋肥大に重要であると考えられている。ネガティブトレーニングを行うとサテライト細胞や繊維芽細胞が活性化されることがわかっているが、FGF-6をノックアウトしたマウスでは、筋分化制御因子であるMyoDやMyogeninの発現が低下することが知られている。
・GH受容体の発現:
・カルパスタチンの発現: タンパク質分解系のカルパインの働きを抑制する。
・70-KDa
S6 キナーゼ(p70S6K
)の発現: IGF-1やインスリンのシグナルを伝達するPl3K-Akt系に関与。カフェインの項のプロテインキナーゼB(Akt)でも述べたが、p70S6k/S6K1のリン酸化を制御すると筋細胞サイズの成長が抑制されることから、筋細胞の増殖や分化に関与していると考えられている。
・カルシニューリンの発現: 成長因子の細胞内シグナル伝達系
■体脂肪減少
・UCP-3の発現
・UCP-2の発現
■筋持久力増加
・グリコーゲン合成酵素の発現
・ACE(アンギオテンシン変換酵素)の活性低下