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葉酸 (フォラシン):

葉酸をはじめ生物学的に葉酸活性を示す化合物の総称。

食物中の葉酸は、そのほとんどがポリグルタリル誘導体であるが、モノグルタミン酸に加水分解された後に腸から吸収される。

腸管腔内におけるポリグルタミン酸塩の加水分解は刷子縁(さっしえん:小腸の吸収上皮細胞および腎臓の近位尿細管細胞の上部に存在する微絨毛が密に形成される領域)に存在するプテロイルポリグルタミン酸加水分解酵素(BB-PPH)によって行われるが、これはポルグルタミル鎖をカルボキシル末端より分解するエキソペプチダーゼで、亜鉛により活性化される。

慢性的なアルコール摂取がBB-PPH活性を低下させ、食物中の葉酸の加水分解に影響を及ぼすことが動物実験で示されている。このような現象はヒトにおいても起こり得るが、アルコール中毒患者における葉酸の吸収不良はエタノール毒性における腸の細胞の損傷が、より重要な原因であると考えられる。

・生理作用
@ヌクレオチドの生成および分解系で、プリンヌクレオチドの生合成系や、ピリミジンヌクレオチドの代謝系に
Aメチオニンのde novo合成にいたる反応系で、アミノ酸やタンパク質の代謝系、セリン-グリシンの転換系に
関与している。

ビタミンB群の働きを助ける物質で、赤血球の形成、細胞の形成、増殖、たんぱく質を代謝して胃酸の形成を助けるなどの働きを持っている。

・葉酸の関連物質
フェニルアラニンをチロシンに転換する酵素、フェニルアラニン水酸化酵素の補酵素はテトラヒドロビオプテリン(BH4)である。

哺乳類はフェニルアラニンを代謝の中で、芳香環を直接分解することが出来ないので、フェニルアラニンの水酸化反応が障害されると、その代謝物であるフェニルケトン体が体内に蓄積し、高フェニルアラニン血症やフェニルケトン尿症を発症する。

またチロシンからドーパ、ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンを生成する反応の初発酵素であるチロシン3-ヒドロキシラーゼやトリプトファンからセロトニンを生成するトリプトファン5-モノオキシゲナーゼなどがあり、これらが低下すると発達低下、筋緊張低下、知能障害、皮膚障害などが発症する。

 
 
 
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