University of Georgia のVictor Maridakisらの発表によると、カフェインのトレーニング後の筋肉痛を抑える効果が50%と、ナプロキセン(30%)、アスピリン(25%)、イブプロフェン(一貫性のあるデータが取れなかった)よりも優位な数値を示した。
Caffeine Attenuates Delayed-Onset Muscle Pain and Force Loss Following Eccentric Exercise
【※アデノシンそのものには以下のような鎮痛、抗炎症作用がある。『痛みと鎮痛の基礎知識』より】
・ATPが痛覚過敏を引き起こすのに対して、アデノシンの髄腔内投与及び硬膜外投与により鎮痛効果が認められている。
・アデノシンはアデノシンA1受容体を介して鎮痛作用を発揮する。
・A1受容体に作用して、Giタンパクを活性化することにより、ATP依存性K+チャンネルを活性化し、神経細胞膜過分極を引き起こし、神経細胞電興奮の伝達を抑え、それにより鎮痛作用を引き起こす。
・肺障害や敗血症モデルにおいても、アデノシンの抗炎症作用が証明されている。アデノシン投与によって臓器障害が軽減したり、死亡率が減少したりする効果が認められていることから、ATPが炎症反応を増悪させることとは働きが逆になっている。
・関節リウマチでは関節内のアデノシン分解酵素(アデノシン・デアミナーゼ:ADA)により、アデノシンが分解され、関節炎が持続する。
・免疫抑制剤のメトトレキサートはアデノシン産生を刺激し、アデノシンが白血球や血小板や他の組織に存在するアデノシンA2A受容体に結合することによって抗炎症効果を発揮する。
・米国のXsira Pharmaceuticalsは2005年に米食品医薬品局(FDA)に点滴用アデノシンの治験新薬申請をした。術後痛の鎮痛目的でPCAでオピオイドを投与するときの副作用を軽減するため。
・針刺激はアデノシン分泌を高め、鍼治療による末梢性鎮痛効果にはA1受容体が関与する。
●カフェインは遅発生筋肉痛を早く緩和させる。
The Effect of Caffeine Ingestion on Delayed Onset Muscle Soreness
●コーヒーのほうがカフェインより効くかもしれない。←舌下で吸収してるからかな?
Effect of Coffee and Caffeine Ingestion on Resistance Exercise Performance
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26890974/
●コーヒーは男性ホルモンを高めて、エストラジオール(女性ホルモン)を減らす。
Coffee consumption and plasma biomarkers of metabolic and inflammatory pathways in US health professionals
●クロロゲン酸を豊富に含むコーヒーは通常にコーヒーと比較して、グルコース吸収、利用において有意な効果を表した。
The effect of chlorogenic acid enriched coffee on glucose absorption in healthy volunteers and its effect on body mass when used long-term in overweight and obese people.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18035001
●クロロゲン酸とクロロゲン酸模倣物はグルコース6フォスファターゼトランスロカーゼ(Gl-6-P translocase )の特異的な抑制物質として確認されている。Gl-6-P translocase 抑制物質は非インスリン依存糖尿病における、不適切に高い肝臓におけるグルコース生産を減少させるのに役立つ。.
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.Chlorogenic acid and synthetic chlorogenic acid derivatives: novel inhibitors of hepatic glucose-6-phosphate translocase.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9003513