STRATEGIC TRAINING SYSTEM

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トレーニング中の呼吸

トレーニングを行う際、目的に沿ってフォームを調節することは大切だが、それと同等にトレーニング中の呼吸の仕方も非常に重要である。

呼吸の仕方を考える意義

呼吸を正しく行う意義は、トレーニング強度を高めること、怪我を防ぎ安全にトレーニングを行うことが挙げられる。

具体的には

●胸腔内圧を高める=胸郭の安定=肩関節、肩甲帯の安定
●腹腔内圧を高める=体幹の安定=股関節の安定

胸腔内圧が高まれば、腹腔内圧もそれに比例して高まる。即ち全身が安定した状態になるといってもいいだろう。トレーニングの使用重量がそれほど重くない場合はともかく、中−高重量でトレーニングを行う場合は正しい呼吸が出来ているかどうかで使用重量やレップ数に大きな差が出てくる。

また呼吸法はウエイトトレーニングにおいてだけではなく、コンタクトスポーツ、球技、その他のスポーツにおいてもパワーを最大限に発揮するために大切な因子である。

呼吸の仕方

●プレス、フライ系動作


・軽い重量で行う場合: 息を吸いながらバーを下ろして行き、息を吐きながら挙げていく。

・中-高重量で行う場合: 息を吸いながらバーを下ろしていき、動作が最も困難となるポイント(スティッキングポイント)の手前から息を止める。EX:ベンチプレスでいうスティッキングポイントはバーベルが胸に最も近づいていくところ。

息を止めたままバーベルを切り返し、スティッキングポイントを通過したら、息を吐き出してトップポジション(肘が伸びるところ)まで挙げる。

そしてまた息を吸いながらバーを下ろして動作を続ける、の繰り返しとなる。

吸う→いきむ→吐く→繰り返し。

●プル、ロウ系動作

動作を行う前に息を吸い、いきんだまま引ききる。

バーを引ききり、戻し始める際に息を吐き出し、バーが戻りきる前に再び息を吸い、動作を繰り返す。

(吸う)→いきむ→吐く→吸う→繰り返し

息を止めて行うやりかた

少ないレップ数であれば、呼吸をしなくていいのではないかと思われそうだが、胸腔内圧が高まり続けると、脳への血流が一時的に減少し、酸素欠乏症やめまいを引き起こす可能性がある。また胸腔内圧を高め続けることにより血圧が上がるので、高血圧の方などは特に注意する必要がある。

呼吸をダブルにする

体重の2倍や3倍の重量を扱う場合、動作に正確さが求められる際には、1レップにつき二度呼吸をする。

例えば、プレスであれば、吸う−いきむ−スティッキングポイント−吐く−の後、トップポジションでもう一呼吸(吸う-吐く→吸う(2レップ目)といった具合である。このようにすれば、より高い胸腔、腹圧を維持することができるだろう。

トレーニングベルト

トレーニングベルトは腹腔内圧をさらに高めるため、腰痛防止、トレーニング強度を上げる際には効果的である。目的によりけりだが、ベルトに頼りすぎるとベルトに依存することになってしまうので、使用重量によって使い分けたいところである。

 
 
 
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