Aそして、もう一つ非常に重要なのが、HIF(Hypoxia inducible factor 低酸素誘導因子
)とVEGF(Vascular endothelial growth factor 血管内皮細胞増殖因子)。
・褐色脂肪細胞で構成される部位(肩甲骨間など)のBATは新生児では豊富に存在するものの、乳幼児期以降に急速に退縮し、青年期以降ではほぼ認められなくなる。
・一方(鎖骨上窩部などの)ベージュ脂肪細胞で主に構成される部位のBATにおける加齢変化は緩やかである。ヒト成人の褐色脂肪組織(brown adipose tissue:BAT)は主にベージュ脂肪細胞により構成されているとも言われている。
【ベージュ脂肪細胞は、刺激が解除されると徐々に消失することから、対象部位の代謝を上げておくためには、ベージュ脂肪細胞を減らさないように常に刺激を送っておきたい。TRP以外でベージュ脂肪細胞を活性化させる方法がHIFとVEGFの発現を促すことである。】
■HIFはVEGF遺伝子を活性化させるタンパク質で、低酸素状態において活性化され、VEGFは新生血管を作るとともに、白色脂肪の褐色化(browning of white fat)を促すことによって代謝を上げる。
HIF-1発見の契機となったEPOは造血を誘導し,赤血球を増加させることで血中の酸素運搬量を増加させる。またHIFはVEGF以外にも、platelet-derived growth factor beta polypeptide(PDGFB)、basic fibro-blast growth factor(bFGF)などの発現を誘導し、血管形成を亢進、最終的に酸素環境を改善する作用も持つ。
■いずれにせよ、対象部位を酸欠状態にすれば良いわけで、そのための方法というのが、ウエイトトレーニングである。
その中でも酸欠状態にさせる練習方法は
・テンション継続法(ノンロックワークアウト):筋肉へのテンションを維持しながらトレーニングを行う方法。文字通りテンションを継続し筋肉に負荷をかけ続けるため動作中ストンっと力が抜けるところを作らないようにしたい。
・フラッシング法: 一つの部位について3〜4つのエクササイズを行う方法。トライセット、ジャイアントセットと同意義である。
・バーントレーニングシステム:通常のエクササイズを限界まで行い、その後可能なかぎりの可動域(パーシャルレンジ)で動作を繰り返す方法。
・100レップ法:最初に30レップ程度行える重量(40-50%RM程度)で30レップ行い、以後10秒程度の休憩を挟みながら、100レップ完遂するまで行う方法。
などがある。
いずれもキツイトレーニング方法ではあるが、このようなトレーニングを頻繁に取り入れることによって、腹部を含む特定部位のBATが活性化し、インスリン感受性が向上し、シェイプが改善される可能性がある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC230785/
http://www.ft-patho.net/index.php?VEGF-vascular%20endothelial%20
growth%20factor%20%B7%EC%B4%C9%C6%E2%C8%E9%C1%FD%BF%A3%B0%F8%BB%D2
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25763639/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30398903/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28672737/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31144796/
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/…/SEIKAGAKU.2…/data/index.html
https://diabetes.diabetesjournals.org/content/63/12/4089