@血管収縮・痛み物質発生→痛みの神経興奮→慢性痛の悪化
A異常な連絡→痛みの神経興奮→慢性痛の悪化
古傷が痛むのは過去に痛みがある程度長く続いたため、交感神経と痛みの神経の間になんらかの異常な連絡ができてしまい、気圧の変化などによって休眠状態であった痛みの連絡経路が復活してしまったためだと考えられる。
■温度受容体
皮膚や内臓にある温度受容体であるTRP(Transient Receptor Potential)がその温度への敏感さを変える。
例えば、TRPA1のないマウスは、TRPA1の、相当温度である17℃の低音刺激を受けても逃避行動が起きない、つまり、低音になってもそれを感じない。逆に、TRPA1の活性を高めたマウスでは、少しの冷たさでもすごく冷たいと感じる(低音不耐症)。
←TRPV1(43℃以上の高温に反応)を発現量を増やした場合には高温不耐症になる。
TRPは温度、湿度、化学的刺激、機械的刺激など多種類の刺激に反応する。
【特にTRPA1とTRPV4は内耳に存在しており、これらが気圧の受容体であると考えられる。
天気痛(気圧病)がある人は内耳にTRPA1とTRPV4がたくさんある可能性がある。】
●改善方法
・抗めまい薬
(前庭の興奮を抑える。
←前庭は脳に回転情報を伝えるため、前庭の興奮が抑えられると、めまいは起きにくくなる。
内耳のリンパ液や血液循環を良くする。
←内耳の敏感さには浮腫みが関わっている。回転性の目眩、難聴、耳鳴り、耳閉感を伴うメニエール病では内耳のリンパ液が溜まって腫れる→気圧や姿勢の変化→腫れた内耳が変な動きをする→神経細胞を刺激して症状が出てしまう。)
・漢方
(五苓散、半夏百朮天麻湯、柴苓湯、抑肝散など)
・身体の歪みを取る
←不良姿勢による頭部への負担は、内耳前庭に負担をかける可能性がある。
・緊張している筋を緩める(←弛緩している筋肉まで緩めない!)、ストレッチ、ウエイトトレーニング、身体の調整、睡眠、生活リズムを整えるなど。
・高気圧酸素療法
(カプセル内を2気圧以上(ちなみに晴天時の気圧は1.3)、酸素濃度を100%まで上げ、その中に一時間以上入る。
通常は97%前後酸素が結合している血液中ヘモグロビンに、ほぼ100%酸素が結合し、血漿にまで酸素が溶け込む。
ヘモグロビンと結合した酸素を「結合型酸素」、血漿と結合した酸素を「溶解型酸素」というが、溶解型酸素は、結合型酸素が入り込めないごく細い血管まで入り込み、血管拡張や新生血管の生成を促し、様々な身体の回復を促す。
※ただ問題は医療現場以外では認められていないことと、酸素中毒、火災の危険性の高さである。
※似ているが酸素カプセルは、その効果が科学的に証明はされていない。)
参考『天気痛』佐藤純