Peanut waste to rival grape seed extracts?
ピーナッツの皮はグレープシードエキスのライバルとなるのか?
By staff reporter -Nutra ingredientsより-
ピーナッツバター製造の際に捨てられるピーナッツの皮。この皮に抽出可能なプロシアニジンという物質が含まれており、安価な抗酸化物質として製造されればグレープシードからのポリフェノールのライバルとなるかもしれません。
ピーナッツの皮の除去技術がポリフェノール含有量と抗酸化活性に影響を与えるという新しい研究の著者であるノースカロライナA&Tステート大学のJianmei
Yu氏は、“ピーナッツの皮にはカテキンやプロシアニジンといった自然の抗酸化物質が含まれており、他のものより安価に抽出することができるだろう”と話しています。
プロシアニジンというポリフェノールは緑茶、果物、野菜、赤ワインなどに含有される物質で、心血管疾患やガンなどに対する健康への効果が示されています。
元々はオリゴメリック・プロアントシアニジン(二量体、三量体、四量体)はフランスの科学者マスケリエ氏によって1950年にピーナッツの皮から発見されたものです。しかし、石油生産国による輸入規則の変更により、アフリカからピーナツの皮を除去した状態での輸出となったため、殻つき、皮付きピーナッツほとんど市場に出回らなくなってしまいました。
今日では、ピーナッツバター製造者はこのピーナッツの皮を動物のえさとして使用しています。
今日のポリフェノール市場の中心は緑茶、グレープシード、海岸松エキスである。特にヨーロッパのポリフェノール市場は50%以上がグレープシード抽出物、緑茶が20-25%を占めます。
Journal of Food
Composition and Analysis(食品合成&分析ジャーナル (Vol. 19, pp.
364-371)では、3種のピーナッツの皮の除去方法 (直接剥く、湯掻く、焙煎する)について調査しました。
総ポリフェノール量は、130.8、15.1、124.3mg没食子酸等量/g乾燥皮、それぞれ直接除去、湯掻く、焙煎によって。
湯掻いた(水でゆで、皮をはがす)ものと175度で焙煎したものでは、直接皮を剥いたものに比べプロシアニジンの量が変化していました。
カフェイン酸やエラグ酸、クロロゲン酸、*リスベラトロールといったポリフェノールは、熱処理により、存在しなくなっていました。
プロシアニジンの構成がグレープシード数種類のものと比較されましたが、カテキンはグレープシードに比べて極めて低く(乾燥サンプル100g中16,1mg未処理)、グレープシードにおいては(100g中437mg)、カべルネットグレープシード(100g中125mg)でした。
興味深いことに、OPCs濃度は、グレープシードから発見された量に匹敵し、実にピーナッツの皮からのポリシアニジン三量体濃度(乾燥サンプル100g中221.3mg)
は非常に高いものでした。ちなみにピノ・ノワールグレープでは(乾燥サンプル100g中84mg)でした。
アメリカ農務省によると、OPCsの摂取で効果を得るには100mg〜300mg/日を、別の研究では25mg/日を摂取すれば十分であるとも言われています。
ピーナッツの皮は、グレープシードに比べ、プロシアニジン三量体と四量体の濃度が非常に高い、つまり、ピーナッツの皮は、抗酸化物質の原料として有益である、と研究者は報告しています。